学生のころ親からバイトに関して言われたことがある。ただ目的もなく小遣い稼ぎならやめておけ、と。そのころは、自分の生活費の足しにしたい、親の負担を少しでも減らせるならと自分なりに前向きにやっていたつもりだ。それなのになぜ、分かってくれないと逆に不快感を覚えた。だが、今自分が1人の娘の親となったことで、父親の言わんとすることが何となく理解できるようになってきた。学生にとって一番の役目は何なのか。答えは寝る間も惜しんで勉学に専念することだろう。確かに我が家は娯楽に耽るほど裕福ではない。親としては最高学府に娘が進み、そこで学問に専心できるまでサポートしてやりたい。そのために親が働き、学費を工面する。仕事のストレスや心労にも愚痴を言わずに…。
娘が親を心配しバイトで稼いだお金を、学費の足しにすることは確かにすばらしいことだ。ただ、そのために貴重な娘の時間が減っていくのを残念でならない。本来ならば、専門書でも読む時間であるべきなのに。皿を洗い、料理運ぶことが悪いといっているのではない。バイトとあろうとやるからには全力で当たってほしい。そこには本から得られるであろう知識以上に貴重な経験をすることができる。同僚との接し方や目上の人の考え方、お客さんへの心配りなど学べることがたくさんある。実社会での教訓と言い換えてもいいだろう。大学で学んだことだけでは紙に書いたもちに終わりかねない。両者を兼ね備えて初めて大人への一歩としてほしい。